スタッフブログ - 日々のコト
26.子供部屋を考える その3
【部屋で考えるのでなく、子どもの居場所で考えては?】
子供に部屋を与えたいと思うのは親として当たり前に思います。
ただ、子ども部屋を考えるときに「部屋」として考えるのでなく、子どもに必要な居場所はどこか?を考える必要があります。
それは、子供の成長段階(発達段階)によって変化していきます。
【乳幼児期】
親・家族との関りが重要な時期です。子供の人格形成に一番大切な時期でありこの時期の子供の居場所を考えることが大切になってくると思います。空間というよりも親の廻りが子どもの居場所となります。(LDKや主寝室に子供スペースをつくるなど)
【児童期・学童期】
家族の関り以外に地域・学校での関りも出てきます。家族以外の居場所ではどうしているのかを気配で感じられる環境設定が必要になります。プライバシーよりつながりを大切にしたいです。また、自立に向けた訓練(ひとりで寝る、起きる、整理する)の場も必要になります。
【青年期】
中学・高校生になると、友達付き合いを通して自分自身を見つめるようになります。二次性徴や男女意識も生まれて親離れの時期に入ります。この時に親として適切な距離を保つため、その子どもにとって適切な居場所を提供することが大切になります。
【成人・社会人期】
自立した人間として関わる必要があります。欧米では、家は親の所有物であり子供は家を出ていくことが通常です。
「子供部屋」と固定して考えると、本当に必要な時期は中学校高校の6年程度です。必要な時期以外は空き部屋か収納部屋かパラサイトシングル部屋になるケースが多いようです。
特に、子供が巣立ってからのことを考えておかないと「無駄に収納豊富な家」になってしまいます。子供が出ていった後のほうが住む期間も長いです。
「子供部屋」を考えるときは、子どもの成長段階での居場所で考え、巣立った後の夫婦の住まい方・子供との住まい方も考えましょう。
ふたりの子を持つ建築士 三谷賢治
2021.05.15 日々のコト
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